自律神経失調症、更年期障害まで…。
もう人と話すのも、外に出るのもつらかった。

現在、フリーのヘアメイクアーティストとして著名人のヘアメイクや雑誌・広告などを手掛けている渡邊奈津子さん(49)。

オフの日はピラティスや、山登りに行くなど多彩で活動的。しかし、そんな渡邊さんは30代の頃から酷いめまいや胸の詰まりなどの自律神経失調症に悩まされ始めた。
さらに40代半ばには、追い打ちをかけるように現れた更年期の症状にも悩んでいたのだという。

当時の体験をご本人に語っていただいた。


┃仕事の忙しさで乱れ初めた自律神経

美容の専門学校を卒業後、結婚式などを手掛ける大手美容サロンやテレビ局での経験を経たのちに、ファッションの業界にも視野を広げていった渡邊さん。ヘアメイクの仕事はまさに激務。朝から夜まで働き詰めだった渡邊さんの体は徐々に様々な不調に襲われるようになった。

大手美容サロンにいた時は仕事が本当に忙しくて、睡眠時間もろくに取れませんでした。
土日なんかは3時か4時くらいに起きてずっと仕事。夜は終電近くまで勉強をしてたので、休みの日は疲れてとても遊びになんて行けません。

▲大手美容サロンで働いていた21歳当時の渡邊さん

そんな状況だったせいか、頻繁にめまいの症状が出ることがあったんです。それが、30代くらいの時に特に酷くなって…。もう起きている間はずっと雲の上を歩いているような、ふわふわした感覚のめまいが続くようになりました。

あまりに酷かったので、耳鼻科や脳外科など、いくつも病院を回って色々な検査をしたんですけど、特にどこかに異常があったわけでもなくて。
結果的に自律神経失調症と診断されました。

今思うと、仕事の忙しさとか、ストレスが多かったこととか、いろいろなことが重なって原因になったのかもしれないです。
生活の乱れもありますけど、生理痛も酷かったし、ホルモンバランスも乱れやすかったのかもしれません。

めまいが酷かった時、気の流れが滞っているというか、喉が詰まっているような感じがすることがあって、漢方を処方してもらっていたこともありました。
その同時期くらいには、耳鳴りまで起こるようになって。

30〜40代は本当に自律神経失調症のオンパレードって感じでしたね…。

┃更年期のはじまり

多忙な毎日が過ぎ、フリーランスとなった渡邊さん。しかし、40代半ば、更年期に突入してからは、ただでさえつらかった自律神経失調症の症状に重なるように、さらなる不調が現れたという。

めまいや耳鳴りがつらかったのはもちろんなんですけど、更年期に入ってからは口や喉の粘膜が乾いたり、とにかく寝つきが悪かったり、体のあちこちに不調が出てくるようになりました。

何よりも酷かったのが、メンタル面です。

気分の上がり下がりとか、怒りやすくなったりとか、感情の振れ幅が大きくなって自分で抑えられない。抑えられなくなってバーッと言ってしまったり、普段なら気にならないような些細なことも、いつまでも気にするようになったんです。

でも、最初はそれが更年期の症状だなんてわからないですよね。

自分でもなんでこんなに不安感とかイライラ感がすごいのかわからなくて、初めはカウンセリングに行ってみたりもしました。それでもとにかく抑えられないので、先生の前でも話ができなくて、ただただ泣いてしまうんです。

やっぱり自律神経が大きく関わっていたのかもしれないですけど、雨の日とか台風の時とか、気圧に変化がある時は特に落ち込むことが多かったと思います。

仕事をしているときはまだ良いですが、家で一人だったりするとどうしても良くないことや、余計なことを考えがちでした。

めまいもひどいし、気も塞ぎがちだし、だんだんと人と話すのも面倒になっていって。
もう外に出るのも億劫でしたね。