「つらい時期をのりこえた今、毎日が楽しい!」
更年期障害に悩んだ久保田磨希さんの経験談
ドラマ・映画をはじめとし、バラエティや舞台などマルチに活躍する俳優、久保田磨希さん(52)※取材時。プライベートでは1児の母親としての顔を持ち、”お母さん役”としてドラマに出演することも多い。明るく陽気なイメージがある久保田さんだが、実は長い間「更年期障害」に悩まされていたことを公表している。女性なら誰しもが訪れる「更年期」。
悩み始めた当時から、今現在までのお話を、久保田さんにお伺いした。
┃仕事と日常に影響した更年期の始まり
久保田さんの症状の初めは33歳ごろ。一般的にこの年代はプレ更年期と呼ばれる期間で、人によっては更年期の不調に似た症状が出る人もいる。
まず最初に出たのは、ホットフラッシュみたいなほてりや汗の症状でした。
元々汗かきな方ではあったんですけど、この時は撮影中も滝のように汗が出て、下を向くとポタポタ汗が垂れて自分の周りにだけ水たまりができるほど。
それで撮影を止めてしまったこともありました。
「まずい!」と思えば思うほど出てくるんですよ。毎度自分の汗のせいで撮影を止めてしまうのは申し訳なくて、出番のギリギリまで裏で氷のうを両脇や首に当てて対策をしてました。
でも、そうやって無理やり抑えようとすると、そのあとがすごいしんどくて。肩とか全身が重く感じることが多かったです。
それから、38歳で娘を出産したんですけど、娘が生まれてからも汗の症状が収まることはなくて。ずっと悩まされ続けました。
保育園に娘を送りに行った時も、娘は涼しい顔をしているのに自分だけは常に汗だく。
「久保田といえば汗」のイメージがあると周りに思われていたほどで、夫にも熱があるのかと心配されたこともありましたね。
そうしてついに46歳ごろ、閉経と同時に久保田さんを本格的に更年期の症状が襲う。
この頃は汗がとまらないのはもちろんのことだが、貧血のようなめまい・立ちくらみが頻繁に起こるようになったのだという。
めまいは朝起きた時に来ることが一番多かったんですけど、なるべく起こらないようにゆっくりゆっくり起き上がってました。
ぐるぐると数十秒くらい視界が回ってる感じがして、もう本当に”目が回る”の状態でした。
ある時、舞台の演出の中で上を見上げるタイミングがあったんです。
その時急にめまいが起こってぐらぐら視界が揺れて。
まさか舞台の上で倒れるわけにはいかない!と思って、とにかく足に力を入れて踏ん張って持ち堪えたことがありました。
流石になんとかしたくて、鉄分のサプリを飲んでみたりもしたんですけど、貧血からくるめまいというわけではなかったみたいで。そこまで効果は感じられませんでしたね。
加えてこの頃からどれだけ寝ても朝に起きられなくなって。疲れもなかなか取れにくいし、常に横になりたいような気持ちになることが多かったです。
┃役作りの勉強と言い聞かせる日々
不調が増えていくと、娘の弁当を作ったり、家事をするのがつらいこともありました。
でもそこはポジティブに考えようと思って。
自分はせっかく役者の仕事をしているんだから、「今日は忙しいお母さんの役をやっている!」という気持ちになって、むしろ全力で家事を頑張ってました。
役作りのためになると考えると、忙しさに追われて頑張るのも良いなって思ってましたね。
でも、不調のない今だからこそ思うんですけど、そうやってどこか自分は大丈夫だと言い聞かせていたところがあったのかもしれないです。
認めてしまえばつらくなっちゃうから、気づいていないふりをするというか。女性はそうやって我慢してる方も多くいらっしゃるんじゃないかと思うんです。
さらに、50歳になる頃には内臓が冷えている感覚に襲われるなど、新たな症状も現れ始めたという。
顔周りは汗をかいているのに内側はずっと冷えてるような感覚がありました。
対策のためにお腹にカイロを貼ったら今度はそこがかぶれたりして。もうどうすりゃええねん!って感じで。
あんまり気にしないようにするのを心がけてましたけど、年齢を重ねるにつれて、確実にいろんな症状が現れていきましたね。