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第14回洋菓子最優秀賞作品レシピ

楓のスペクタクル~メープルが奏でる柑橘とのハーモニー~
(カエデノスペクタクル~メープルガカナデルカンキツトノハーモニー~)

A-026市原さん.JPG

 

市原 健太郎
(いちはら けんたろう)

A-026市原さん選手.JPG

㈱ホテルグランヴィア大阪

レシピ 

工程・作り方

<メープルシロップのサブレ>

 

①Aの材料をロボクープにオールインする。回しすぎないようにサッとつなげる。

②OPPフィルムに挟み2㎜で伸ばし、冷凍。厚紙をあててサブレをカットする。

③縮まないようにシルパンに乗せ、焼きムラ、しっかり焼き切るために低温で焼成する。

④焼成後シロップをスプレーで吹きかけマイクリオを振りかける。

★ショートニングを加えることで食感が軽くなるのと、アーモンドパウダーも多く配合し仕込み後すぐに伸ばせる生地にしています。

★ベリーダークを使用する理由・・・メープルシュガーでは、コクと風味が焼き物では弱い為、作業性、食感を生かす為 あまり水分量を入れなくてもしっかり一番コクと風味を出すことが出来るメープルシロップ(ベリーダーク)のみを使用しています。
又、焼成後メープルシロップ(ベリーダーク)をスプレーで吹きかけ、カカオバターを振るいかける事で湿気防止、 風味を残る様にひと手間かけるのもポイントです。

 

<柑橘のジュレ>

 

①Bでゼラチンベースを作っておき、Aを40℃まで温めてBを入れて溶かしCを加えて香りを出す。

★魚ゼラチンで、作業性、口どけを良くし、酸味がサッと口の中に広がり、メープルの甘みとハーモニーをさせる為。

★メープルシュガー、メープルシロップ(アンバー)のを使用する理由・・・柑橘類は糖度を上げないと水っぽく、 味がはっきりしない為と、味の優しいメープルシュガーとアンバータイプのメープルシロップを加えて、全体のメープルとの 味を繋げるために使用する。

★井上さんの八朔ジュースは八朔を通常より3ヶ月ほど木成りのまま置いておく為、落ちるリスクがあるが 糖度が高く、酸味が柔らかい為、メープルとの相性が良かったために使用しています。

 

<キャラメルとメープルのクレーム>

 

①グラニュー糖でキャラメルを作り50℃まで温めて混ぜたAで止める。
Bを湯煎で50℃まで温めて沸かしたキャラメルを一気に入れて自己流アングレーズを炊く。

②ゼラチンベース、バターを入れてバーミックスで乳化させてパッセして10gで型に流して冷蔵庫で固める。

★量が少なく殺菌卵を使用している為、上記のやり方で、作業性も良く、綺麗なアングレーズが炊ける。

★キャラメルとバターを使用したクレームにすることでメープルのコクを生かす為と、メープルの味が先に広がり 他のパーツを軽いパーツにしているので、酸味とのハーモニーが終わった後にバターを使ったクレームの為 口の中で溶けるのに時間がかかるので、最後にもう一度メープルが戻ってくるように考えたこだわりのパーツです。
重たくなりすぎないようにメープルシュガーとアンバータイプの優しいメープルでバターとキャラメルに合っています。

 

<メープルムース>

 

①Aで色の軽いキャラメルを作る。

②Bを50℃まで温めて、沸かしたキャラメルを加えてアングレーズを炊き、ケンミックスにパッセして立ち上げてボンブを作る。

③Cでゼラチンベースを作り、電子レンジで40℃にして30℃になったらぼボンブに加えて8分立てのフェッテと合わす。

★生クリームを使用したボンブの為、口どけがとても良い。

★シロップにせず、自己流アングレーズでとろみをつけてから立ち上げる為、作業性も良い。

★メープルを生かすためにあ甘みと味を引き締める”塩”(塩味)が大事と考えています。 クレームにもムースにも海水から余分なものを加えず、時間をかけて薪炊きしている、自凝雫塩を使用しています。
塩が甘く詰まりすぎていない塩の味の為、メープルの味を引き締め、全面に出せる塩を選んで使用しているのもポイントです。

 

<メープルパンドジェンヌ>

 

①ローマジパンは電子レンジで温めて細かくちぎりAの材料をロボクープに入れて、溶かした40℃のバターを加えて回す。

②Bを40℃まで温めてロボクープを回しながら少しずつ入れていく。

★アーモンドとメープルの柔らかい優しい生地を作りたいと思い、小麦粉を使わず、作業性も良いように考えた配合です。

★アーモンドが多い生地の為ベリーダークを使用すると互いに主張し、まとまらない為、まとまりのある生地になるように、アンバータイプを使用し柔らかくしっとりとした生地にしました。

 

<グラサージュメープル>

 

全ての材料を沸騰させ、32℃でかける

★32℃でかけると薄くかかり、ピストレも溶けないので温度調節をすること。

★赤色やオレンジ色だけだと色が安っぽい色になるの緑を加えることで、色に深みが加わり、奥行きのある色になる。
ピストレをかけるときは、先にオレンジを前面に打ち、ふちを赤でかけるとグラデーションになり、立体感がうまれる。

 

メープルの生かし方

キャラメルと合わせる事でメープルの特徴であるコクをより引き出し、厳選した塩で味を引き締めています。メープルシロップのみで作るサブレは食感、風味がより感じられ、優しい酸味と苦味のある柑橘と合わせる事で、メープルお甘みを程よく和らげ、食べたときにメープルが口の中でハーモニーを奏でるようにしました。

 

原材料・配合

<メープルシロップのサブレ>  
A 森永社 無塩バター 150g
A ショートニング 30g
A メープルシロップ(ベリーダーク) 90g
A アーモンドプードル 150g
A 淡路島アワジシマ 自凝雫塩オノコロシズシオ 4.5g
A 冷凍卵黄(無糖) 30g
A バイオレット 120g
カメリア 120g
カカオバリー社 マイクリオ(カカオバター) 5g
メープルシロップ(ベリーダーク) 5g
<柑橘のジュレ>  
A 善兵衛農園井上さんが作る木成り八朔ジュース 129g
A 善兵衛農園井上さんが作るバレンシアオレンジジュース 14g
A メープルシロップ(アンバー) 3g
A メープルシュガー(パウダー) 3g
A ボワロン社オレンジコンサントレ 15g
C グランマニエル(エクストラクト) 1.4g
B ポワソンゼラチン 3g
B ミネラルウォーター 12g
<キャラメルとメープルのクレーム>  
A グラニュー糖 21g
A タカナシ社生クリーム35% 81g
A タカナシ社牛乳3.7 40g
A メープルシュガー(パウダー) 12g
A 淡路島アワジシマ 自凝雫塩オノコロシズシオ 0.2g
B 冷凍卵黄(無糖) 20g
B メープルシロップ(アンバー) 12g
C ポワソンゼラチン 2g
C ミネラルウォーター 9g
森永社無塩バター 24g
<メープルムース>  
A グラニュー糖 20g
A タカナシ社生クリーム35% 96g
A メープルシュガー(パウダー) 52g
A 淡路島アワジシマ 自凝雫塩オノコロシズシオ 0.4g
B 冷凍卵黄(無糖) 39g
B メープルシロップ(アンバー) 32g
C ポワソンゼラチン 7g
C ミネラルウォーター 32g
タカナシ社生クリーム35% 173g
<メープルパンドジェンヌ>  
A ローマジパン 72g
A アーモンドパウダー 95g
A メープルシュガー(パウダー) 27g
A 米粉 55g
B メープルシロップ(アンバー) 12g
B 冷凍全卵 165g
森永社無塩バター 40g
C 冷凍卵白 121g
C メープルシュガー(パウダー) 63g
<グラサージュメープル>  
ヴァローナ社アプソリュクリスタル 400g
ミネラルウォーター 100g
メープルシロップ(アンバー) 20g
善兵衛農園井上さんが作る木成り八朔ジュース 8g
<ピストレ>  
カカオバター赤 2g
カカオバターオレンジ 2g
カカオバター緑 1g
A-026市原さん.JPG A-026市原さん.JPG 最優秀賞
第14回メープルスイーツコンテスト洋菓子部門